夜明けが、実はそこまで来ていたりして(妄想全開)


aliceです。

前回の日記を書き上げてから、僕のプロゲーマーヲチの道はどうやら本格的な始動を迎えてしまったようです。

夏に開催を予定している「GODSGARDEN」の総師範KSKさん、このあとご紹介する「NAGOYA STREET BATTLE」のがまの油さんとツイッターで繋がってからヲチャー魂に火が付いてしまいました。毎週KSKさんが配信している「総師範TV(仮)」も欠かさず見てしまう始末。今週の配信は、くしくもAppleのiPhone 4G発表配信とまともにぶつかってしまいustream.tvがダウン。急遽がまの油さんが開設しているjustin.tvのアカウントから配信するというスクランブル配信でございました。でもしっかりコテハン(この響きも懐かしいなー)でログインしてチャットに出没しちゃう僕。名無しさん勢の皆さんはどう思ってるんだろうか。おもいっきり門外漢なので、いささか恐縮気味でございます。

そのがまの油さん、7月4日に名古屋・大須の「ウインク愛知」にて「第15回名古屋ストリートバトル -for SSF4-」を開催されるそうです。費用は全て自腹、200~300人収容とGODSよりも広い会場で会費無料(ただし、参加者にはパンフレットの購入をお願いするとのことです。1,000円)という、かなりチャレンジングな開催です。すでに有志の方により東京からのバスツアーが企画されるなど、遠方からの支援も始まっているご様子。
ここまで人を突き動かすほどの勢いがあるんだ。僕は祖直に感動しました。ツイッターでは海外のツイートにも真摯に対応されている様子を垣間見たり、KSKさん共々、今後のビジョンを熱く語っていらっしゃる様を見るにつれて、このムーブメントは本物だなあ、と感慨深い思いをするばかりです。

がまの油さんのツイートから、新しいことも教わりました。こうしたゲーマーサイドの動きは、何もストリートファイターだけではありません。全国のゲームセンターで様々なタイトルの大会が開催されているのはもちろんのこと(ゲーマーズビジョン、中野TRFとかが有名ですね)、一時期はブンブン丸、新宿ジャッキーなどのスターを輩出したヴァーチャファイターでも「VFR」がビートライブカップを毎年大規模に開催するなど、今もその息吹は続いています。

いまや、ウメハラ氏がNHKで大フィーチャーされ、ニコニコ動画で45,000人の視聴者数を叩き出す時代。
その様を見ているうちに、あれあれ、僕のいつもの妄想癖がまたもたげてきてしまいましたよ。

ご注意:これから書くことは、あくまで筆者(alice)の妄想に基づくものです。それも、「こうなるといいなあ」というよりかは「こういう展開もアリかもしれないけどどうなんだろう」的な意味合いに過ぎません。そこんところ、予めご了承いただきますようお願いします。

僕はこう考えました。あれ。もしかしてもしかしたりすると、こんな展開もありえるんじゃね?

それは、格闘ゲームの「K-1」……いや、ここはあえて「やれんのか!」、いや「PRIDE」化がありえるんじゃないのか、という妄想です。

「K-1」「PRIDE」は、日本が世界に向けて発信した格闘技コンテンツとして日本中を席巻しました。残念ながらPRIDEは不幸にもその歴史を封印し、今はSRCとDREAMに引き継ぐ形になりましたが、K-1は現在も海外興行を行うなど、共に精力的な活動を続けています。
つまり要は、遠い将来、格闘ゲームの世界で、世界的な規模の大会が、賞金制ワンマッチをベースに、開催できるのではないか、ということです。

そんなの無理無理! 今だって「闘劇」がディファ有明クラスどまりなのに。
ですよねー。僕もそう思います。というか、今頑張っていらっしゃる方がそこまでの拡大を求めてない可能性も高いです。
KSKさんもツイッターでつぶやいていました。

「賞金の予算が100万円あるとしたら、 賞金100万円の大会を一発やるよりも、賞金10万円の大会を10回やる。今はそれでいいと思う。」

そのお考え、わかるような気がします。今は地盤固めの時。今は格闘ゲームの面白さをより多くの人々に伝え、裾野を広げるのが先でしょう。非常に冷静で、前を見据えていらっしゃるからこそ出るビジョンです。僕自身、今大規模な大会をするタイミングでないことは素人目にも想像が付きます。

ただ…。条件は、結構揃ってるんですよね。

日本に限らず、多くの国・地域で人気のあるゲームであり、賞金制大会については海外が先行している。そしてゲーム自体は日本発である。

海外には実質上のe-sports世界選手権である「ワールド・サイバー・ゲームズ」、ウメハラ氏やふーど氏などが実績を残している「ワールド・ゲーム・カップ」「EVO」などの世界的な賞金大会が存在し、すでに日本人プレイヤーが実績を残しています。これはつまり、海外に大規模な選手層が存在することを意味します。そして、ストもヴァーチャも、それに鉄拳、KOF、ブレイブルーなどの対戦格闘ゲームは、その全てがメイド・イン・ジャパンです。

日本でも、いわゆるピラミッド構造がある程度出来上がっている。ないしは構築が可能である。

格闘技に限らず、スポーツの多くは草の根レベルの底辺からトッププレイヤーに至るまでの「ピラミッド構造」が出来上がっています。日本のサッカーが急速に進化したのも、このピラミッド構造を意識して構築した結果であると言えるでしょう。
格闘ゲームの世界でも、この構造が実はある程度出来上がっています。全国のゲームセンターを底辺とし、各ゲームセンターの大会が頻繁に行われています。その上に位置する地区ベースの中規模な大会はまだ多くありませんが、小規模な団体を中心に開催されているようです。代表格が「NSB」と言えるのではないでしょうか。
そして「GODS」「ビートライブカップ」などの有志ベースによる全国規模の大会や、「闘劇」などのメーカー・企業主導の全国大会が実際に開催されており、さらに、その上にはネームバリューを備えたプレイヤーが活躍している…。まだ大まかな形かもしれませんが、この構造はまさしく「ピラミッド構造」です。
ただし、現在の「ゲームセンター衰退」における問題は解決しなければならないでしょうけどね。

マスメディアが注目し始めている。また、プレイヤーサイドのコンテンツ発信が活発化している。

これは、上に書いたとおりですから改めて書く必要はないでしょう。テレビ局や映像配信サイトが動いた、という事実は非常に大きいことで、普及への絶大な力を持つはずです。

いわゆる「スポンサー」が行動を開始した。

ウメハラ氏をスポンサードしているMadCatzはもちろんのこと、GODSに賞品・賞金提供などをしている「ホリ」「cis」など、言い方は下世話ですが「実際に金や物を出す」企業や人物が出てくるようになりました。これは大きな要素です。

思いつくだけでもこれだけの要素が揃っているんですね。

もちろん、このほかに乗り越えなければならない山はたくさんあります。ゲームタイトルがいわゆるメーカーベースなので、メーカー自身からの協力が不可欠になるでしょうし、大きな賞金、海外選手の招聘、大会場運営を実現させるためにはある程度のバジェットを動かせる企業体とスポンサーの存在は必須。プレイヤーのマネジメントを誰がするの? とか、コミッション団体とかどうするの、とか、実際に視聴者は大会の興行にお金を払って見に来るの? という需要のマーケティングも必要でしょう。
そもそも、こういう形態そのものが「格闘ゲーム」という世界で成り立つのか自体、精査しなければなりません。ゲーム=お遊び、という概念を崩せるのか、そして、そもそも今現在も格闘している人たち自身が、こういう未来を望むのだろうか、という根本的な命題があります。

しかし。僕はあえてここで妄想してみたい。

佐藤大輔が作り、立木文彦がナレーションを務めるOP煽りVが巨大プロジェクターに写され、そこにウメハラ氏、マゴ氏、ときど氏、いや、ここにジャスティン・ウォン氏やチョコ氏やKSK氏を加えたっていいでしょう(KSK氏はサダハルンバ谷川的ポジションで)、そんな豪華なプレイヤー達が走馬灯のように画面に現れて、Vが終わったらケイ・グラントにより高らかに開会宣言が叫ばれ、レニー・ハートがおもっくそファンキーな声で各プレイヤーの名前を読み上げるんです。そして、厳かに各プレイヤーが壇上に登場したのと同時に、観客が地鳴りのように声を上げるんです。「アイスエイジー!」とか「マゴキモイ~~~!(褒め言葉)」とか「ウメハラ~~~~!」とか。
試合が始まったら、がまの油氏がリングの下から電波実況するんです。「ウメハラがー! 画面端~~~!」と。それを横で見ながらこくじん氏はこう叫ぶんですよ。「そういうゲームじゃねーから!」と、笑いながら。そしてその後ろで感動にむせび泣く、KSK氏の姿。

こんな素敵なイベントが、日本武道館で開催されたら。見に行きたい。そう思う人は、どれだけいるでしょうか。
僕ですか?
もちろん、万事を排して見に行きますよ。
リングサイドSRS席を押さえて、涙を拭くためのハンカチを手にしながら、ね。