新しい夜明けはまた訪れる


ご無沙汰しております。aliceです。

えー、結局あれから消失を観ることもままらないまま近辺の劇場上映が終わってしまいました。ヨヨヨ。まあ、無事驚愕先行公開もされましたし、今後の展開が楽しみです。また長いスパンでハルヒの展開が行われるでしょうからして、気長に待とうと思います。というわけで、なし崩し的に実況モードは終了です。皆様、ありがとうございました。

あ、そうだ。なんか次回京アニの作品が決まったみたいな話を耳にしました(コミックナタリー「日常」京アニがアニメ化、DVD付き限定版第6巻を2011年に)。11年1月の発売でいわゆる「OAD」。15分~20分程度とのことですので、現在の製作体制(ウワサによると1.5ライン)であれば、並行でもう1作できそうですね。そろそろ「らき☆すた」2期待望論がくすぶってくる時期でしょう。現在放送している「らっきー☆れーさー」を2期の伏線であると仮定すればそんなシナリオも見えてきそうですが、どうでしょうかね。

さて。今日はひさしぶりに別のお題を振ることにします。

以前より、僕はこんなことを書いてきました。「才能は広く世に出るべきである。そして、その才能は得られる対価を得るべきである」。
このことは、なにもアニメやボカロの世界だけではありません。僕は人知れず、ある分野の動きをずっとヲチしつづけていました。それは。

プロゲーマー、の世界です。

日本において、いわゆる「マインド・スポーツ」という概念はあまり受け入れられていません。囲碁・将棋レベルが関の山。昔からプロ団体が多く存在する麻雀を初め、チェスなどの世界は未だプロプレイヤーが競技のみの生活を送ることもままならない状態です。いろいろ理由はあるのですが、そこは長くなってしまうので割愛します。ぶっちゃけてしまえば、マインドスポーツをスポーツと思っていない人が圧倒的多数であるのが、おそらく一番大きい要因でしょうね。

でも、実は!
日本のプロゲームプレイヤーは、結構いい線行ってるんですよ。

一つは「トレーディングカードゲーム」(TCG)の分野。マジック・ザ・ギャザリングというゲームではすでに獲得賞金が1000万円を超えるプレーヤーが複数誕生し、世界一になった日本人も存在します。今このときにも、世界を転戦している日本人プレイヤーが存在するんです。

一つは「テーブルゲーム」。ポーカーというと賭博、という印象が先に来てしまいますが、すでに高額の賞金を獲得し、アメリカで武者修行している日本人がいます。中にはアメリカのオンラインポーカー会社とプロ契約を結んだ人も。しかもその人は女性です。

そしてもう一つ。これから取り上げるのが「ビデオゲーム」の分野です。
※「PCゲーム」の分野については、後日改めて書こうと思います。ちょっと待ってね。

ストリートファイター、というゲームをご存知ですか? 対戦型格闘ゲームのパイオニアである「II」誕生以降、現在に至るまで対戦型格闘ゲームの代表格として人気の高いゲームです。現在も年に一度全国大会が行われるなど、活発な活動が続いています。また、いわゆる「有名ゲーマー」を多数輩出しているのも大きな特徴です。先日、日本テレビの「中井正広のブラックバラエティ」に有名プレイヤーが出演していましたね(ときど氏)。

この分野でも、いわゆる「ゲームだけで生計を立てる」「ゲームをすることで日常的な報酬を得る」プロの登場はこれまで叶いませんでした。いや、例外はいくつかあります。例えばセガの「ヴァーチャファイター」で有名になり、現在週刊ファミ通で編集者をしている「ブンブン丸」氏などがそうですが、プロ野球選手のように、Jリーガーのように、ゲームで純粋に報酬を得るという意味で明快なプロプレイヤーは、これまで現れませんでした。

しかし。ついにその壁はくずれました。それも、つい先月のお話。
ストリートファイターシリーズの世界では「神」とも称されるプレイヤー「梅原大吾」氏が、アメリカの周辺機器メーカーとプロ契約を結んだのです。

なんでこんなお話をしているのか。それは、日本がこれまで全くといってよいほど力を入れてこなかった「マインド・スポーツ」「Eスポーツ」の分野に一石を投じる、エポックメイキングな出来事だったからです。
昨今、日本発の文化としてアニメ、漫画、フィギュアなどの分野が世界を席巻するようになりました。ようやく日本政府や経済界もここの部分のビジネスライクな可能性を認識し始め、様々なアプローチが行われるようになって久しいと言えるでしょう。そんな中、今現在に至ってもスポットライトが当たることのなかった「才能溢れる世界」、それが「マインド・スポーツ」「Eスポーツ」でした。
僕は、この状況を全くの門外漢ながら、歯がゆく思っていました。なんだよ、オリンピックだなんだ言ってるけどさ、マインドスポーツを真剣にやってる奴だってスゲエんだよ。世界と堂々と渡り合える才能がそこら中にいるじゃないか。なぜ、そんな才能を糠漬にする? なぜ、そんな才能が評価されない? そこにたくさんの可能性があるじゃないか。そこにはもしかしたら「アメリカンドリーム」バリの英雄伝が生まれるかもしれないじゃないか。それがひいては、日本の経済復興のカギになるかもしれないじゃないか。

そして今年、僕はその「真剣」な人たちの存在を知ります。

GODSGARDEN」です。

神奈川でゲームセンターを経営し、自身もストIIIなどで実績を持つ「総師範KSK」主催のもと、「プレイヤーの、プレイヤーによる、プレイヤーのためのイベント」が開催されていました。会場は阿佐ヶ谷ロフトAや新宿ロフトプラスワンなどの、いわば小規模な(入っても150人が精一杯の)会場ですが、そこには全国から名だたる強豪プレイヤーが集結していたのです。先述した「ウメハラ」氏「ときど」氏はもちろん、2D神の異名を持つ「マゴ」氏を初め、「金デヴ」氏、「ももち」氏、「板橋ザンギエフ」氏など、普段格闘ゲームをしない僕でも知っている人たちが一堂に会していたのでした。

さらに僕は自分の不勉強を恥じます。すでに「GODSGARDEN」のUstream配信は延べで40,000人以上がアクセスし、ちゃんと賞金も用意され、そして「女子限定の大会」まで開催されていたのです。すでに「チョコ」氏、「かよPolice」氏などの有名女性ゲーマーが活躍するのを目にしたあたりから、僕はいつしか興奮しながら彼らの動向を追うようになっていました。

そして、5月15日。僕は「ニコニコ生放送「スーパーストリートファイターIV」オンライン対戦会」を見ようとして、プレミアム会員なのに弾かれるという経験をして、確信したのです。
ついに、時が来たのだ、と。
ついに、新しい夜明けが訪れたのだ、と。

番組は、僕の予想を遥かに超えた面白さでした。
僕はこれまでストリートファイターシリーズをほとんどプレイしたことがありません。スーファミでちょっとストIIをやって「俺に対戦格闘は無理!」と思ったのが20年以上前。それ以降経験はありませんでした。でも、楽しかったんです。観ているうちに試合の見所が自然に分ってきて、そしてこのときまでに血眼にして見ていた動画とリンクして、それはそれは楽しいひと時でした。
ムードメーカー役を勤め上げた「こくじん」氏の存在も大きかったんだと思います。彼のトークセンスはもはや芸人の領域に達しており、素人の僕も大爆笑できるほどの力を持っていました。「マゴ」氏のウザキャラや「ときど」氏のアイスエイジっぷりですら「おいおい、演じてるんじゃないのか」という錯覚を覚えてしまうほど。そして、ウメハラ氏はあくまで「The Beast」と呼ばれるがごとく、王者の風格を見せ付けていました。

そして、視聴終了後、僕は愕然としました。
延べ視聴者数、45,000人オーバー。
そりゃあ弾かれるわけだ。と納得すると共に、今まさに新たな夜明けが来たことを、改めて確信したのです。

彼らそれぞれの思いは、おそらくそれぞれで違うでしょう。プロ化を見据えるかどうかはその人次第。どう振舞おうが、それはそれぞれのプレイヤーの裁量です。
しかし、僕は声を大にして言いたいと思います。
ここには、本気で対戦格闘ゲームの世界を盛り上げようと戦っている人たちがいます。これまでありえないとばかり思っていた、ゲームプレイヤーの新たなる道筋を開こうとしている人たちがいます。そして、実際にその道を歩き始めた「神」が、ここにいます。

僭越ではありますが、僕は彼らのことをもっと観て行きたい。そう強く思います。
そんな気にさせてくれるだけの可能性と、情熱と、意気込みと、そしてそんな中でも本気でこの世界を楽しんでいる人たちの楽しさを、僕は垣間見てしまいました。こんなにエキサイティングな世界は、この国ではそうそうお目にかかれません。ましてや「才能は広く世に出るべきである。そして、その才能は得られる対価を得るべきである」と唱え続けた僕が、こんなに才能に溢れた世界を見過ごしてはなりません。

もし、この文をお読みになって、ちょっとでも関心を持たれたら。ぜひ彼らの活動をじっくりと見てみてください。
そこには、無限大の可能性が、眠っているかもしれません。

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