ハルヒ2期(ていうか新アニメ)の情報が徐々に小出しで出てきましたね。
ハルヒとは、ライトノベル・テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のこと。もうかなり有名になりましたから皆さんもご存知でしょう。ライトノベルは500万部、ノベライズされたマンガが250万部、アニメDVDは合計で80万枚の売り上げを突破しています。
谷川流(たにかわながる)が紡ぐ、重厚で緻密かつ軽快なストーリーはさることながら、京都アニメーションが手がけたアニメは珠玉の出来でした。それまでしばらくの間、時間にすると10年くらいご無沙汰だったアニヲタ魂を久しぶりに揺さぶられた僕は一気に虜になってしまいました。一説によれば2009年1月とも4月とも言われる、次期シリーズが本当に待ち遠しいです。
何がいいのか、どこがすきなのか、ということはもう僕が語っても仕方がないでしょう。散々いろんな方がブログで書かれていますからね。
このエントリーでは、僕がもっとハルヒを好きになった一つの「ショートストーリー」を取り上げたいと思います。
それが、涼宮ハルヒの微笑です。
8巻までが刊行されたときに2chのスレッドで発表された、いわばアマチュアによる同人小説です。
このような同人的側面の強い二次創作小説を「ショートストーリー」(SS)と呼ぶのですが、ハルヒのSSの中でもこの作品はピカイチと言ってよいでしょう。
本編(1巻~8巻。9巻(分裂)の刊行前であることに注意です)終了後のアフターストーリーとして描かれているのですが、この
内容が非常にロジカルで、それでいて綿密にストーリーが組み立てられています。まだ本編は完結していないのですが、8巻までの内容の中にちりばめられたほぼ全ての伏線を違和感なく回収し、さらにつじつまが合うように物語が構成されているのです。文体も谷川氏の書き筋を意識したものになっていて、モノローグを担当するキョンの表現がややあっさりとしていたり、心理描写に若干の物足りなさを感じますが、それがかえって全体の読後感を軽快なものにしていて、一気に読みきれる内容に仕上がっています。
ショッキングなプロローグで興味をひきつけ、畳み掛けるように展開するストーリー、おそらく長期間にわたる読解と検証に裏打ちされているであろう物語のロジック性の高さ、そして、作者の物語に対する愛情に溢れた結末。本職でないアマチュアが、ここまで完成度の高い作品を生み出せるのか、ただ感嘆する他ありませんでした。
もし、この作品の数少ない弱点……淡白なモノローグと心理描写……さえ克服できれば、そして谷川氏一流の遊び心を湛えた文体がもっと浸透すれば、このままスピンオフ作品として角川からリリースされてもまったく不思議ではないでしょう。それほどなまでにこの作品の完成度は高いレベルにあります。
ぜひ、1巻から8巻を読破した上で、上のリンクからページを開いてみてください。
きっと、この作品のすばらしさが、厳かに感じ取れるはずです。
もし、この作品が近い将来に映画化とかされちゃったら。
僕は角川を見直すんですけどねえ。
まあ、僕のツマラナイ妄想なんですけど。ね。